診断の設計ノート
婚活タイプ診断が、何を、どう測っているか。相談所のオーナー向けに、設計の考え方をまとめました。
1. この診断が測るもの
婚活の進め方を、2つの軸で見ます。
1つ目の軸は「判断の型」です。相手を選ぶときに、情報を集めて比べてから決める「熟慮」と、会ったときの感覚で決める「直感」の、どちらに寄っているかを見ます。
2つ目の軸は「進め方」です。目標や段取りを自分で決めて進めたい「自走」と、信頼できる人に相談しながら進めたい「伴走」の、どちらに寄っているかを見ます。
2つの軸の組み合わせで、4つのタイプに分かれます。熟慮と伴走は「じっくり納得タイプ」、直感と自走は「フィーリングタイプ」、熟慮と自走は「計画実行タイプ」、直感と伴走は「安心重視タイプ」です。結果画面では、軸ごとにどちらへどのくらい寄っているかを割合で示し、真ん中に近いときはその旨を書き添えます。
2. 土台にした考え方
軸と設問は、心理学の研究で使われてきた4つの考え方を参考にしています。
情報処理スタイル:筋道を立てて考える傾向と、直観や感覚に頼る傾向を、別々の2つの傾向として捉える考え方です。「判断の型」の軸の土台にしています。
成人愛着の安心希求:親しい相手との関係で、不安になったときに安心を確かめたくなる度合いです。返事が遅いときの気持ちのように、人と一緒に進めたい度合いを見る設問の参考にしています。
援助要請スタイル:困ったときに人へ相談するかどうかを、自分で考えてから必要なときに頼る型、すぐに頼る型、頼らずに抱える型に分けて捉える考え方です。「進め方」の軸の土台にしています。
最大化傾向:選ぶときに、いちばん良いものを探し続けたくなる傾向で、日本でも、より良いものを追い求める傾向と選んだあとの後悔を測る尺度が作られています。「もっと良い人がいるかも」と考えるかどうかの設問に生かしています。
3. 設問の作り方
場面設定型:「気になる人のプロフィールを見るとき」のように、婚活の具体的な場面でたずねます。性格を直接聞くより、自分の行動を思い浮かべて答えやすいからです。
対の2文:各設問は、軸の両側にあたる2つの文を並べ、どちらにどのくらい近いかを「とても近い」「やや近い」で選びます。どちらの文も、良い答えに見えないように書いています。
12問、軸ごとに6問:2つの軸を6問ずつで測ります。軸のどちら側の文を先に置くかは、設問ごとに入れ替えています。所要時間は約1分です。
尺度の文言は転載していない:研究で使われる尺度の質問文は使っていません。考え方だけを参考にして、婚活の場面に合わせて書き起こしています。
4. 結果の文章の作り方
強み7割:結果の文章は、つまずきやすい点を3割ほどにとどめ、残りのおよそ7割を、タイプの説明・強み・たぶん、こんなことも・最初の一歩・進め方の相性にあてています。
条件付きの課題:つまずきやすい点は、「〜なときほど」のように起きやすい条件をつけて書き、どう動けば強みに変わるかまで書きます。
具体的な行動の予測:そのタイプにありがちな場面を、「たぶん、こんなことも」として具体的にひとつ書きます。
出典付きデータ:数字は公開データから引用し、出典を添えます。出典の表記は、御社の判断で一般的な表記に変えたり、データの行ごと表示しないこともできます。数字と文は変えません。
人は、だれにでも当てはまりそうな説明でも、自分のことだと感じやすいことが知られています(バーナム効果)。そのため、褒め言葉だけで終わらせず、条件付きの課題と具体的な行動の予測を入れて、当たり外れが分かる文章にしています。
5. 数字の出どころ
結果の文章に出てくる数字と、設計で参考にした数字は、次の公開データによります。
IBJ成婚白書2024/2025:日本結婚相談所連盟(IBJ)が公開している、成婚した会員のデータです。交際から結婚を決めるまでの日数や、お見合いの回数などを引用しています。
関西ブライダル 会員調査:結婚相談所の会員を対象にした調査です。入会前の悩みについての数字を引用しています。
出生動向基本調査2021:国立社会保障・人口問題研究所が行っている、結婚と出産についての全国調査です。
6. 言わないこと
「科学的に証明された診断」とは言いません。根拠を示せる設計だ、とだけ言います。
成婚の割合や、結婚の見込みを約束する数字は出しません。
結果や成果を約束する言葉は使いません。つまずきやすい点は、「〜しやすい」「〜なときほど」のように、起きやすい条件をつけて書きます。
7. 改善の仕方
回答内容は保存されません。設問や結果の文章の改善に使うのは、当社の計測で匿名に集計した数字だけです。使うのは次の3つで、どれも名前や回答とは結びつきません。
タイプ分布:結果に出たタイプの内訳
完了率:診断が始まった回数のうち、結果まで進んだ回数の割合
当たってる率:結果画面の「この結果は当たっていましたか?」への答えのうち、「はい」の割合
出典一覧
- 内藤・鈴木・坂元(2004)情報処理スタイル尺度
- 磯部ほか(2008)/藤島ほか(2018)日本版後悔・追求者尺度
- 石黒(2021)利益最大化傾向尺度
- 中尾・加藤(2004)ECR日本語版
- 古村・村上・戸田(2016)ECR-RS日本語版
- 永井(2013)援助要請スタイル尺度
- Forer(1949)バーナム効果
- IBJ成婚白書2024・2025
- 関西ブライダル 会員調査
- 出生動向基本調査2021